オンナの毎日

女性たちのこと。

クレバーなオンナ-節子の場合

節子は、わたしのことを産んだ母親だ。 わたしは、人としての尊厳や誇りを、節子から教わった。 節子が夫(わたしの父親)と出会ったのは、夫が自営で始めた電気屋の事務として働いていたときだった。 シャイな2人から、馴れ初めの詳細についてまでは聞かされ…

アメリカのオンナ-悦子の場合

悦子は、他人に自分のことを知られることを、極端に嫌った。 過去にあったことや、自分の考え、恋愛の嗜好のようなことを、そう簡単に他人に教えるわけではないようだった。 その割に、よくわたしには、彼女自身のことを語ってくれていたほうだと、今では思…

アメリカのオンナ-悦子の場合

悦子はどうやら、社会の中で、あまり交渉をせずに生きてこれたようだった。 それはきっと、彼女が所属していたかつての組織が、いわゆる一流だった、からなのだろうか。 悦子のことを、今の上司や会社、同僚に対して、大変上手にお付き合いされる方だなぁと…

アメリカのオンナ-悦子の場合

悦子と同い年の、同じようにシングルマザーの女がいた。 晴子というその女は、悦子とは状況などが似ていたようで、2人は時間をかけずに、距離を縮めた。 晴子について少し書くと、晴子はいわゆる、女子高生のまんま、大人になったような人だ。 結婚、離婚を…

アメリカのオンナ-悦子の場合

悦子は、母親としての自分をしっかりと受け止め、息子のことを大切に思っていた。 わたしは、悦子の母性に憧れ、尊敬していた。 話せば話すほど、悦子は強い信念を持ち生きていて、母である自分の女の部分は、息子がもっと大人になるまで見せたくない、とも…

アメリカのオンナ-悦子の場合

悦子は、上品な雰囲気を持ち、優しい笑顔で挨拶を交わしてくる。 年齢よりも若く感じたのは、彼女の見た目だけではなく、あまり社会で労働せずに生きてきた印象が、強かったのかもしれない。 悦子とお互いのことを話すようになったきっかけは、わたしだ。 わ…

縛られたいオンナ-藍子の場合

結果として、藍子が不倫したかった相手は、藍子と距離を置いた。 入院後の不倫したい相手との、悲惨なやり取りのあと、それでも2人は二回ほど、デートしていた。 身体の関係になることは、なかった。 その間、藍子はわたしに何度かLINEをしてきた。 「わたし…

縛られたいオンナ-藍子の場合

藍子の初めてのデートは、特になにか色っぽいことが起こることもなく、終わった。 楽しかった、と本人は言っており、また2人で会う話もできた、と浮かれていた。 しかし、ある日藍子からLINEが届き、実は自分が数日間入院していたのだ、と言ってきた。 「え…

縛られたいオンナ-藍子の場合

藍子は、まだ始まってもいない不倫について、頭と心をフル回転し、毎日毎日、わたしに話してきた。 LINEをいつ入れたら良いのか、このようなやり取りをしたけど相手はやはり自分に気があるだろうか、など。 夫の愚痴然り、藍子が気にする事柄は、いつでもど…

縛られたいオンナ-藍子の場合

わたしは、藍子に興味があった。 藍子の思考回路を知りたいと思い、家族のことや彼女の過去の恋愛話など、聞けば聞くほど、不可解だった。 まるで、演歌が流れる、場末のスナックにいるような感覚になる。 わたしたちの青春時代は、平成がメインだったはずな…

縛られたいオンナ-藍子の場合

藍子が、夫の愚痴を言ってきた場合、わたしの立ち位置は、「ツッコミ」だ。 たいがいの場合、藍子にとって気に触る夫の行動は、わたしにとっては、どうでも良い。 夫が買い出しに行くと、不必要なものを買ってくるのがムカつく、自分が洗濯を干したあとに、…

縛られたいオンナ-藍子の場合

藍子は、最近よく話す女だ。 仕事で出会った。 41才で、わたしの1つ年下。 28才で結婚し、2人の子供と、夫と自分の母親の、5人家族だ。 周囲の人間は、彼女のことを知らない。 自分で作り上げている像を、演じているそうだ。 藍子が、自分で言っていた。 周…

いろんな、オンナ

40を超えると、女というのは、いよいよいろんな形を見せてくる。 自分も含め、40年間生き抜いてきたただけあって、おんなじ形の女はいない。 顔、スタイル、身に付けるもの、仕事、家族、価値観、生き方。 そろそろ、年季の入ってくる、このお年頃。 周りの…